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『教授のお好きなケーニスクローネ』

  • stainedglasssumire
  • 2020年12月19日
  • 読了時間: 2分

大学時代お世話になった教授はケーニスクローネがお好きでした。ドイツ文化を一つの柱として研究していた方だったので、ドイツ菓子を好まれたのでしょう。ちょうど良い具合に、大学の最寄り駅にケーニスクローネがあり、教授はよく利用されていた様子でした。


 教授室へ友人と遊びに伺うと、必ずケーニスクローネのスイーツでもてなしてくださいました。私達は恐縮しつつも、有難くお菓子を頂戴したものでした。ドイツに関することだけでなく、キリスト教や文学や芸術等挙げればきりがないほど、教授は大変多岐に渡る知識をお持ちの方で、美味しいケーキを食べながら、あらゆる分野の面白いお話をしてくださいました。


 教授がお年の為、退職される時にご挨拶に伺った際にも、ケーニスクローネをお茶菓子に出してくださいました。お部屋を整理されていた教授は、キリスト教に関する辞典と、妖精文学に関する本を私にくださいました。さらには、とても可愛らしいチューリップの描かれたコーヒーカップまで記念にいただきました。今でも、ケーニスクローネの名前を聞くと、好奇心旺盛な学生の相手を快く受け入れてくださった教授のお心の広さと温かなお人柄を思い出さずにはいられません。


 
 
 

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