『父と娘の時間』

　数時間ですが、父と一緒に過ごしました。私は父とは二人きりになることが滅多になく、かなり久しぶりの展開でした。私は決められた時間がくるまでそわそわ過ごしました。

　父は穏やかな性格です。怒るというより、注意する、と表現した方が良い教育を受けました。随分父には甘やかされて私は育ちました。その為私は森茉莉程ではないにしろ、ファザコン気味のところがあります。しかし、大人になるにつれ、自然に接せる機会が減っていました。

　父との時間は、先日買っておいた宇治の美味しいお茶を飲み、これまた用意しておいた棒きんつばを食べながら静かに過ぎました。父は最近の出来事や私の体調とガラス制作を気にかけてくれ、私との用事を済ますと笑顔で去って行きました。何事も「ゆっくりな」と無鉄砲な私に言い聞かせてくれたことが心に残りました。

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