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『空回りボーイ』

  • stainedglasssumire
  • 2021年3月17日
  • 読了時間: 1分

 私は一人で遅いモーニングを食べていたのですが、目の前の席のカップルの会話が気になりだしました。私からは男子の顔しか見えません。なにやら男子は一生懸命喋っているのですが、女子が「うふふ」としか答えないのです。


「俺、会社で同期だと思ってた男の人がいたんだけど、話聞いたら、七つ上でさあ。やばいよなあ。七つ上ってもっと上の役職つく年でしょ。それが、俺と同じ役職」と、男子は会社でのくだらないマウント話をしてきます。「昼飯何食べたい? 食べログで見たけど、この三つのうちならどれがいい? やっぱ蕎麦だね!」と、男子は、ランチを女子に選ばせてあげると見せかけ、自分の行きたい道に誘導してきます。「なあー、なんか俺ら話合わない? 受けるなー」と、男子は話がいっこうに盛り上がらないのに何故か、「受けて」います。


 女子が全ての対応を「うふふ」のみで完結させるのも最もだと私は思いました。おそらく、二人で会うのは初めてなのでしょうが、男子には悪いですが、次はないでしょう。ちらっと見たところ、かなりスタイルの良い美人だったので、男子が舞い上がってしまったのも仕方ありませんが、私は心の中で「ご愁傷様です」と唱えました。


#エッセイ #ブログ #日常 #生活 #カップル  

  

 
 
 

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