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残された自分のためだけの時間

  • stainedglasssumire
  • 2022年2月18日
  • 読了時間: 2分

 私は三十代の半ばを越えて、人生の残り時間について、思いを馳せるようになりました。私は恥ずかしながら、あまりたくさんは読書せず、映画も知らず、音楽も聴かず過ごしてきました。もちろん、好きなジャンルについては何度も読んだり、見たり、聴いたりしてきました。しかし、その範囲は狭く、偏っています。恐らく体がまだ言うことをきく二十年の間に名作というものをもっと知りたいと思ったのです。

 きっかけは、去年の春から通いだした文章の書き方を学ぶ学校での授業でした。それまでは自己流を通してきたのですが、ここで正しい規定というものの存在や、仕組み、構築について学ぶ機会を得ました。そして、数回だけの特別な集中講座に出席した際、先生が現在人気のあるものではなく、百年語り継がれるものを読みなさい、という意味のことを仰っていたのです。私は雷に打たれたかのように感じました。

 私は公募の賞を狙っては落選続きの生活を数年間続けてきました。けれども、めげずに応募に励んできました。しかし、そこには浅い知識の上からなる表現しかないのです。それでは、何度頑張ったところで結果は出ないかもしれません。書く為に、良い作品を読むことが必然なのは当然と言えば当然です。私は先生がくださった推薦図書リストと推薦映画リストをもとに、少しずつ知識を吸収しようと決めました。そして、音楽に詳しい知人に教えを乞うことにしました。それと同時に書くことを試みようと考えました。

 しかしながら、私はガラスを習いながら、商品として制作し、販売しています。こちらも修行中の身でありながら、書く方の自己鍛錬に励むには時間が本当に少ないのです。しかも、家族の事情も変わってくるでしょう。純粋な私だけの時間と考えると、あと二十年どころか、あと十年、五年かもしれません。急いで私に出来る限りのことをやってみようと思います。


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